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鑑賞会開催

 讃岐支部設立後、初めての記念すべき鑑賞会を、源平合戦ゆかりの屋島の麓、高松テルサ
に於いて5月8日に開催いたしました。支部会員49名のうち40名が出席し、本部より後
藤安孝事務局長・小林暉昌先生をお迎えし有意義な会となりました。始めに後藤事務局長よ
り、日本刀の啓蒙活動・普通出来の刀への再認識・新会員の獲得などのお話がありました。

 
    

      挨拶される後藤事務局長        鑑賞刀の解説をされる小林先生

  当日の鑑賞刀並びに小道具は

    
   本部より
     短刀  吉光
     太刀  長光 「上杉家伝来」
     短刀  埋忠明壽 慶長十三年五月二日
     鐔   埋忠明壽
    鐔   仙台清定
    鐔   林 又七

  
  支部より
    刀   二字国俊 (重要美術品)

     太刀  友村   (特別重要刀剣)
     刀   雲生   (重要刀剣)
   
大小拵 「江川利政一作金具」(重要刀

     糸巻太刀拵 (重要刀剣の附)
     脇差拵 浜野政随一作金具」
    大小拵 (新作・三谷修史氏監修)

 
           拵えを鑑賞する                     熱心に鑑賞する支部会員 
     
   当日の鑑定刀は
    一号 太刀  景光
 
     二号 短刀  兼定
     三号 刀   坂倉言之進照包  延宝八年二月吉日
     四号 短刀  月山
     五号 刀   荘司筑前大掾大慶藤直胤 文政四年五月日
 
 以上の五口でしたが、入札者が多かった事と刀の内容から一本入札となったようです。
 一号は景光と長光に集中していました。二号は来写しの短刀ですが、本歌と見て来国俊・
 来国光の札が多くありましたが、兼定と気付く人もあり、ノ定とこだわった人もいまし
 た。三号は照包と助広に分かれました。四号はほとんどの人が月山と見ました。五号は
 直胤の備前写しですが、映りまでありよく出来ていた為、景光・長光に入札した人も半
 数近くいました。通常の三本入札なら当たりまでいく人が多いので、あえて一本入札に
 したのかなと先生の意図がわかったような気がしました。ヒントをもらう三本入札も良
 いですが、一本入札も真剣味があっていいものだと思いました。 小林先生より鑑賞刀
 ・鑑定刀の解説があり、写し物と本歌の違いは帽子がとても大切な事・造りこみに注意
 する事、照包は棟で切れそうな位に急な事・横手下に互の目を三個焼く手癖がある事等
 々、鑑定のポイントを教えて頂きました。また刀の来歴等、興味をそそられる話、タメ
 になる話をしてい頂きました。
なお入札鑑定結果は次の各氏でした。

 天位  小林 昭等
   地位  川股 賢司 
   人位  大戸井 美生
         丹生 寿男
  このような素晴らしい鑑賞会・鑑定会ができ、刀談義に花が咲き、支部会員一同とても
 喜んでいます。讃岐支部設立に到るまでには、言葉に出来ない苦労がありましたが、本部
 の先生方、会員の皆様方のご理解とご協力によるものと感謝しております。本当にありが
 とうございました。
                                讃岐支部 丹生寿男