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 丸亀城のほとりの丸亀市立資料館で、第2回鑑賞会を9月11日に開催いたしまし
た。なお、この日は衆議院選挙の投票日だったこともあり、参加者は28名と少なめ
でした。この資料館には丸亀京極家伝来で享保名物の「ニッカリ青江」があります。
当日は収蔵庫の奥深くに仕舞われて、残念ながら見ることが出来ませんでしたが、刀
は「重要美術品」糸巻太刀拵は「重要刀装」に指定された、内外共に名品です。その
「ニッカリ」が取り持つ縁で青江の名品2振を含む10振の赤羽刀を5年前に文化庁
より譲与されました。その10振すべてが鑑賞刀として出品されましたので報告しま
     す。

 鑑賞刀

   小太刀  助次 (刀銘)「重要文化財指定品と銘・姿・出来そっくりです」
刀 青江直次 (無銘)「立派な体配に段映りが現れた名品」
刀    備州長船清光

刀    近江守源久道 和泉守来金道(合作)

刀    大和大掾藤原正則 肥後守藤原正勝(合作)

脇差   大和大掾藤原正則 肥後大掾藤原正勝(合作)

刀    山城守藤原国次

脇差   山城守藤原国次

刀    丹波守吉道
  
刀    和泉守来金道

刀    無銘 (新々刀 関)  
短刀   盛光 (丸亀藩士 早勝美濃守)

拵       打刀拵  三振  

               鑑賞刀                          鑑定刀

鑑定刀

   一号 脇差  月山貞一 明治四年   
   二号 刀   粟田口一竿子忠綱 彫同作
 宝永五年   
   三号 刀   肥前国近江大掾藤原忠廣
   四号 刀   荘司筑前大掾大慶
直胤 天保十年
   五号 刀   青江恒次 (無銘 鎌倉末期)

 以上の五口でした。一号は典型的な綾杉肌なので入札は全員月山系でしたが、室町
時代と見た人もいました。二号はよく詰んだ大阪地金に直刃を焼き、濃厚な龍の彫り
がある典型作なのでほとんどの人が当たりでした。三号はよく詰んだ肥前の小糠肌に
足長丁字を焼いていました。忠吉本家とみるか脇肥前とみるかで明暗を分けました。
四号は直胤の備前写しですが、5月の鑑賞会の本部持参の直胤とそっくりだったので
覚えている人は当たっていました。五号は青江恒次でしたが、優美な太刀姿によく詰
んだ地金なので山城ものと見た人もありました。しかし鑑賞刀に青江が2口あったの
で気付く人も多かったです。

      川辺支部長 鑑定刀の解説                   解説を聞く会員

なお入札鑑定の入賞者は次の各氏でした。

 天位  大戸井 美生   地位  丹生 寿男   人位  谷 茂信

このような素晴らしい鑑賞会・鑑定会が出来たのも、会場並びに名刀を貸して頂い
た丸亀資料館関係者および所有者の皆様のおかげです。本当にありがとうございまし
た。今後とも讃岐支部をよろしくお願い申し上げます。

                                                  丹生寿男