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11月27日、日刀保讃岐支部の11月勉強会が円通寺コミュニティセンターで開催されました。
 本日のテーマは、『大坂新刀』。めったに見られない大坂新刀とあって、何が何でも行かなくては、勉強しなく
てはならないと意気込んで参りました。
 今日は、入札鑑定はなくて、会員持ちよりの刀を鑑賞し、浅くも深くも探求するというもので、初心者にも経験
豊かな者にも、大変有意義な一日となりました。

 本日の鑑賞刀は、在銘の大坂新刀が五振り。無銘の大坂新刀が一振り。
 それと、今後何に極めが付くかどうかという研究刀が三振りでした。



在銘では、刀     井上和泉守国貞  寛文八年八月日   (重要刀剣)
       脇差   井上真改       延宝六年八月日   (重要刀剣)
       脇差   井上和泉守国貞  寛文十年八月日   
       脇差   粟田口近江守忠綱
       寸延び短刀 和泉守藤原国貞                  (重要刀剣)
でした。
 研究刀に関しては、鑑定書が付いていないので、あ〜だこう〜だと、わきあいあいとした中での意見交換とな
りました。

 さて、大坂新刀では、今まで数多く見てきたのが、やはり真改で、今回も『いつ見てもいいな〜。』と思うのは
、思い込みというものでしょうか・・・。

 特に真改と銘を切ってからの出来は、凄まじい覇気が感じられ、今日の脇差がそれを如実に物語っておりま
した。刃文と湯走りが織り成す刃中の世界は、手にとって是非、見て頂きたいものです。

 真改国貞と井上真改とでは、比較すれば一目瞭然。作風がまったく異なって見えます。
 何が、真改の作風をここまで変えたのでしょうか。
 開眼とは、このことを言うのでしょうか。

 機会あらば、多くの方にも作風の変遷を堪能して頂きたいものです。
 そして、思わず、これは凄い!と感じたのが、二代忠綱です。地景しきりに入り、躍動感溢れる地鉄で、見て
いても飽きない景色がそこにありました。
そう、ある意味、古刀相州伝を見るかのようでありました。

今回の参加者は11名でした。次回は来年2月、本部講師をお招きしての鑑賞会を予定しております。

                                                        大戸井 美生