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秋の鑑定、鑑賞会

10月8日に高松テルサにおいて、本部より中村良和先生をお迎えして特別鑑定・鑑賞会が開催されました。当日は讃岐の各地で秋祭りが実施されていた為に、参加者が20名程だったのが少し残念でした。しかし参加者は熱心に鑑定し、入札鑑定後は先生の懇切丁寧な説明に聞き入り、参加者一同はとても喜んでいました。

 当日の鑑定刀は

一号刀 脇指 額銘 長光造
大磨上に額銘があり、少し細身で直刃べースに小互の目、三作帽子なので長光・真長に集中していました。


二号刀 刀 金象嵌銘 盛景   
身幅広く、大切先で刃は大きく乱れ、重ね厚く健全であった為、慶長新刀・新々刀と見た人もいて本日一番の難物でした。

三号刀 刀  備前国住長船与三左衛門尉祐定・天文三年二月吉日
末備前姿に複式互の目の典型作だったので、多くの人がズバリ個名まで当たっていました。

四号刀 太刀 安綱
           
腰反り高く、踏ん張り有り、古調な姿をしていたので、時代をはずした札はありませんでしたが、古伯耆と見るか古備前と見るかで、明暗がわかれました。

五号刀 刀  長曽根興正・山野勘十郎截断銘有り
寛文新刀体配に鎬は柾がかり、裏側のはばき元に大肌が現れ、虎徹 帽子、刃紋は数珠刃風でどこをどう見ても、興里にしか見えません 。興正と見た人はいませんでした。


    


鑑賞刀

古刀・末古刀・新刀・新々刀の代表的なものを支部会員の所蔵品より用意してもらいました。

古刀 太刀 助宗 

          鎌倉中期の福岡一文字派の作で丁字刃に乱れ映りが立つ見事な作でした。(重刀)

末古刀 刀 備前国住長船源三郎清光 為岡田平左衛門作・永禄九年八月日  

          刃文は直刃で為銘のある典型作でした。

新刀 刀 井上和泉守国貞・寛文八年八月日

          大阪新刀スタイルに地鉄がよく詰み、刃文は濤乱風の大互の目で助広と見間違う人もいました。(重刀)

新々刀 刀 豊永東虎左行秀造之・明治三年八月日 

          身幅広めで、大切先ですが寸法は二尺二寸しかありません。この時代はこの長さか流行ったそうです。(重刀)

鑑定刀の入賞者は以下のとおりです。

天位 川股賢司
地位 大戸井美生
人位 丹生寿男
            
地方では滅多に見られない名刀を本部より、ご持参頂き、支部会員は本当に喜んでおります。これからもご指導をよろしくお願い申し上げます。

讃岐支部  丹生寿男