支部19年度総会並びに鑑賞会開催

 
 当支部では本部から日野原大先生をお迎えし、5月20日高松テルサにおいて平成19年度支部総会・鑑賞会を開催、30名余の会員が参集し、盛会となりました。総会では川辺支部長から18年度の事業報告及び決算報告がなされ、ついで平成19年度の事業計画案を提案し、承認されました。続いて、役員改選となり、川辺支部長が退任し、新支部長に福本富雄氏が選任されました。なお、讃岐支部結成から尽力された川辺前支部長は相談役に就任し今後も支部活動全般について指導いただくこととなりました。
  川辺支部長退任、相談役就任の挨拶       鑑定刀解説の日野原 大講師               福本新支部長の挨拶      
            
          一方、鑑賞会での鑑定刀、鑑賞刀は次のとおりです。

   鑑定刀

    入札鑑定後の解説では日野原先生から鑑定刀の見所を次のとおり解説いただきました。
一号刀 太刀 伝則重
  古色があり一見、古備前、古伯耆ものに見えるが、松皮肌の地肌、鎌倉後期の体配、小丁子
 、子乱れ交じりの刃文、金筋、チケイなどの働きから則重と鑑せられるもの備前池田家伝来
 で将軍家光からの拝領品。
二号刀 太刀 元重
  鎌倉後期の太刀姿、板目流れ柾がかり、乱れ映り立ち、金筋、砂流しなど刃中の働 き多
 い。元重の一作風を現わした出来のもの。

三号刀
 短刀 景光
  鍛えが精美で、明るく冴え、肩落ち互の目を焼き、棒映りたつ出来。
四号刀 刀  出羽守行広

  身巾尋常、中切先、互の目乱れ、傍肥前で上作のもの。
五号刀 刀  武蔵大掾是一
  寛文新刀体配、丁子乱れの焼き高く、こずむ。帽子は小丸に返る出来。

  

鑑賞刀
脇指  越前康継
薙刀  肥前国住人忠吉
刀   肥前国忠吉
刀   近江大掾忠広
刀   肥前国陸奥守忠吉
刀   越後守包貞
半太刀拵
金装飾剱
入札は三本で行なわれ、今回の入札鑑定成績上位者は次の各氏でした。
天位 谷  茂信 人位 丹生 寿男 地位 大塚 勝士、大戸井 美生
また、今回の鑑賞刀のねらいとして、肥前刀の上三代を勉強することとした結果、初代忠吉の薙刀、刀、二代の忠広の刀、三代陸奥守忠吉の刀が勢揃いしました。会員は各代それぞれの特徴・持味を堪能し、満足したようでした。

総会、鑑賞会終了後の懇親会                      金装飾剱                半太刀
                      讃岐支部 川股賢司