[HOME PAGEへ]
会員の研究会(9月)

 こんぴらさんで勉強会     

 刀剣美術8月号催事案内で、すでに紹介されていますが、ただいま琴平宮では来年131日まで「こんぴらさんの刀展」を開催しています。琴平宮は古くから皇室、公家、諸大名から庶民まで信仰を集めており、円山応挙や伊藤若冲の襖絵も有名ですが、多数の刀剣も奉納所蔵されています。
当支部会員で本部柄巻講師の三谷修史氏はこの刀展開催中の9月2日金刀比羅宮において「日本刀拵の変遷と鑑賞」と題して講演しました。
讃岐支部ではこの講演の機会をとらえて勉強会を開催いたしました。当日の参加者は支部会員及び一般来訪者合わせて70名となりました。

講演の内容はまず日本刀に関わる職方について、刀と外装の製作分担が説明され、一振りの刀がいかに多くの職方によって完成されるのか改めて認識しました。また上古刀期の環頭大刀拵から新刀期の打刀拵が時代の要請で変遷していく様が詳しく説明されました。また、職方として製作に関わる中で経験した話が聴衆の興味を集めていました。江戸時代の鮫皮が貴重な輸入品であったため高価であったこと、また、坂本龍馬の佩刀修復にあたって長柄から龍馬の身長が推定できるとの話は大変新鮮で肘掛に寄りそった写真しか思い浮かばなかった龍馬のイメージがリアルになりました。最後に鞘塗の鑑賞法の説明があり、講演会を終えました。
暑い中こんぴらさんの長い階段を息を弾ませながら上り、講演会に参集した来訪者は刀装への見方を新たにしての帰途となりました。

                                 讃岐支部 川股賢司