当支部では5月11日、本部から檜山正則先生をお迎えし高松テルサにおいて平成20年度支部総会・鑑賞会を開催いたしました。当日の会員参加は30名余となりました。

総会では福本支部長から19年度の事業報告及び決算報告がなされ、続いて平成20年度の事業計画案が提案され承認されました。引き続いて鑑賞会に入りました。

鑑賞会での鑑定刀、鑑賞刀は次のとおりです。

鑑定刀                                   

一号刀 太刀 元重

二号刀 短刀 大左

三号刀 短刀 近江大掾忠広

四号刀 刀  一平安代

五号刀   助真

鑑賞刀

短刀     来国光

      忠光 

脇差     親国貞

入札は三本で行なわれ、今回の入札鑑定成績上位者は次の各氏でした。

天位 小林 昭等

人位 谷  茂信

地位 丹生 寿男、東畑廣義

入札鑑定後の解説では檜山先生から鑑定刀の
見所を次のとおり解説いただきました。

一号刀 は鎌倉末期体配の太刀で、複雑に入り混じった刃文、地金肌立ち流れた出来で、備前でありながら兼光に比し、沸が強い畠田系を示すもの。

号刀 は小振りで反りがあり、帽子が尖っていない出来で、大左の初期作。

三号刀 は直刃で匂い口が沈む来写し忠広の短刀。帽子の返りが浅いところが本歌の来国光と異なる、

四号刀 は真改風の刀で、地金が黒っぽい。銘は安代であるが、注意してみると馬の銘の違い
から息子の安在代銘作と鑑定される。

五号刀 は鎌倉中期の備前一文字と鑑定される出来。金象嵌助真銘。相州風の彫りがあり鑑定に苦慮していました。

また鑑賞刀の解説では来国光と来国俊の銘の違い、備前の刀は応永時代を前後して作柄が異なってくるなど興味深い解説がありました。

なお、今総会の目玉として会員所持刀を中心とした愛刀展の開催が特筆されるものと思われます。これは会員の所持刀が展覧される機会がこれまでなく、日本刀をきちんとした形で後世に残したいとする会員の心を多くの一般の方々に感じてもらうことも意義深いのではないかと企画されたものです。
 このほか、他支部との交流会、日刀保たたら見学会、全国大会への参加等も提案され、楽しみ多い1年をスタートすることになりました。

川 股 賢 司