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兵庫県支部との交流鑑賞会

当支部は、125日高松テルサにおいて、小泉兵庫県支部長を講師にお迎えし、支部交流鑑賞会を開催しました。当日は南国香川では珍しくうっすらと雪が積もり、足元が不安の状況でしたが25名の会員が集まりました。

鑑賞会は昨年9月兵庫県支部で行われていた会員ネームプレート着用、鑑定刀の特製柄巻き使用、ベルでの時間を設定しての鑑定を見習って実施したい旨の説明後開会されました。ベルの音に従って、回転の利いた鑑賞が進んだ結果、これまでにない多くの会員が入札に参加し盛況となりました。

        熱心に鑑定する会員

鑑賞会での鑑定刀と鑑賞刀は次のとおりです。

鑑定刀 一号刀 刀 国広 二号刀 太刀 景光  三号刀 刀 国綱(金象嵌銘)

四号刀 刀 近江大掾忠広、陸奥守忠吉(合作刀) 五号刀 刀 左行秀

鑑賞刀 一号刀 脇差 虎徹 二号刀 脇差 和泉守国貞

入札は三本で行われ、成績上位者は次の各氏でした。

天位 小林昭等 地位 谷 茂信 人位 丹生寿男

入札鑑定後には小泉先生から鑑定刀の見所について柔らかな口調でご教示いただきました。

      入札の講評を行う講師

一号刀は志津写しの国広で、大太刀を大磨上げにした刀姿をしており、南北朝と見た入札が多くなっていたようでした。

二号刀は細身、反りやや深く小鋒、小板目肌よくつみ乱れ映り立つ景光で、時代が上がったものと感じさせるものでした。

三号刀は大磨上無銘の国綱で金象嵌銘が施されたもので、地沸細かにつき、乱れ映り立つ、青みがかった地金がいかにも粟田口と納得させられるものでした。

四号刀は肥前忠広、陸奥守忠吉の合作刀で、直刃に互の目交じり、丁子足よく入り、匂口冴え小沸よくつく出来となっている。石堂に見た入札が多かったようでした。

五号刀は真改写しの左行秀で、鍛えは小板目、柾がかり、地沸よくつき、砂流し、金筋かかり、匂口冴える出来。頑丈な造りこみで、手持ちすると時代は若いと感じるものでした。

なお、特に興味を引いたのは本阿弥光忠の国綱刀に対する千貫代付けの説明でした。如何に名刀が大切に扱われたのかがよく理解できる解説でした。

最後に、小雪が残る中、遠路お越しいただきご指導いただいた小泉先生に感謝して散会となりました。

讃岐支部 川股賢司