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岡山県支部との交流鑑賞会
当支部では3月21日、岡山県支部から小池副支部長を講師にお迎えし高松テルサにおいて支部交流鑑賞会を開催いたしました。当日は中国大陸からの黄砂で一面霞がかかり、西からの風も強く、参会者の出足に影響するかと思われましたが、岡山県支部から12名、当支部28名とあわせて40名と賑わいました。
鑑賞会に先立ち初心者講座が開かれ、川辺相談役が地金と刃中の働きを中心に解説しました。引き続いて鑑賞会に入りました。
鑑賞会での鑑定刀は次のとおりです。
一号刀 太刀 無銘 古一文字
鍛えは板目が肌立ちこころとなり、地沸がよくつき、乱れ映り立ち、刃文は小丁子に小互の目、小乱れ等が交じり、小足、葉入り、小沸よくつき、刃縁処々ほつれ、砂流しかかり、金筋入り、刃中の働きの多い古一文字の太刀でした。一見して古い時代の名刀然としたもので、安綱、古備前と見た入札もありました。高い乱れ映りが見所でした。
二号刀 太刀 備前国長船住長光
身幅やや狭く、腰反りやや高く踏ん張り有り、中峰詰まる。鍛えは小板目肌つみ、浅く乱れ写り立つ。刃文細直ぐ刃、匂い口良く締まり冴える。帽子浅くのたれ込み先小丸、品格の高い太刀でした。よく詰んだ地金と細直刃を鑑て、古三原の札もありました。
三号刀 短刀 朱銘本阿(花押)則重
内反り筍反りのとなった短刀。鍛えは板目肌、やや肌立ち地沸つき、地景入る。刃文のたれに互の目交じり、足入り、砂流し、金筋かかり、匂い深く刃中よく沸づきよく働く。帽子、乱れ込み焼き詰め風となる。則重の特色をよく示したものでした。
四号刀 刀 坂倉言之進照包
鍛えは小板目肌よく詰み、平肉豊かに地沸厚くつき濤瀾風互の目交じり、匂い深く、匂い口明るく冴え小沸よくつき砂流しかかり、直ぐ刃の焼き出しが長いことから板倉言之進照包の入札が多かったようです。
五号刀 刀 石堂運寿是一精鍛
長寸でずっしりと重く、反り浅く、中峰、鍛、小板目肌良くつみ地沸厚くつく、刃文丁子乱れに互の目、小互の目など交ざり足、葉さかんに入り匂い深く、沸厚くつき処々荒めの沸が交じり、砂流しかかり、」金筋入り、にぎやかに入った備前伝で今回の入札で一番難しいものでした。
鑑賞刀 三代陸奥守忠吉の刀と脇差
入札は三本で行なわれ、今回の入札鑑定成績上位者は次の各氏でした。
天位 大塚 勝士 地位 小林 昭等 人位 谷 茂信
入札鑑定後の解説では小池講師から鑑定刀の見所を解説いただきました。
岡山県支部の方々とは今回の支部交流会では初めて会う人々のはずでした。しかしながら、同好の趣味を持ったものどうしと云う事でしょうか、そこここで刀剣談義に話が弾み、笑みの輪が広がっていました。交流会を開いてよかったなと幸せを感じました。
強風の中、お越しいただいた小池副支部長をはじめ多くの岡山県支部の皆様大変ありがとうございました。