22年度総会、鑑賞会

梅雨を思わせる雨風の強い天候の下、当支部では5月23日、高松テルサにおいて、平成22年度支部総会、鑑賞会を
開催致しました。本部講師石井彰先生をお迎えし、支部会員20名余りが参加しての鑑賞会となりました。
 支部総会では福本支部長挨拶の後、川股理事より新役員体制報告がされ、平成21年度の事業報告・決算報告及び会
計報告を異議なく承認、続いて平成22年度事業計画案、予算案を審議可決してスム−ズに総会を終える事が出来まし
た。
引き続き午後一時より鑑賞、鑑定会に移り、本部よりご持参の鑑定刀による三本入札鑑定に入りました。

今回の鑑定刀は次の五振りでした。

 一号刀 太刀 古伯耆真景

 二号刀 太刀 古備前正恒

 三号刀 脇差 南紀重国

 四号刀 刀 藤原廣實

 五号刀 刀 肥前国住人伊予掾源宗次(初代)

 

今回の入札鑑定上位者は次の各氏でした。

 天位 東畑広義

 地位 大塚勝士

 人位 谷 茂信

 入札鑑定後、石井彰先生によりホワイトボ−ドにて、正恒・宗次の代別タガネ名の違いを詳細に説明していただき、又、鑑定刀の特徴なども一振りずつ分かりやすく解説していただきました。懇切丁寧な説明有難うございました。

 
 一号刀、古伯耆真景は平安末期から鎌倉初期の体配で、地は大板目肌立ち、小乱れ刃、焼き落とし有り、曲型的な古伯耆の太刀でした。



 二号刀、古備前正恒は鎌倉中期の姿で、良くつんだ板目肌に蛙子丁子風の焼き刃が少し見られたので、皆さん苦慮していました。映りが鎬筋までかかり、全体にある事と、小丁子刃が主体なので古く見る難問の一刀でした。










 三号刀、南紀重国は上に行くほど刃取りが広く、帽子焼詰で大和風、姿は幅広で先反り、重ね厚く表に倶利伽羅、裏に降り龍の彫りあり皆さん一の札で重国でした。


 四号刀、藤原廣實は鋒のび、反り浅く慶長新刀姿で、板目ところどころ肌立ち、刃は匂口の強弱あり、先に行くほど焼き高めとなり、出羽大掾国路に似る。




 五号刀、肥前国住人伊予掾源宗次は反り浅く慶長新刀姿で地鉄は板目、刃文は互の目、のたれ尖り刃が目立ち、帽子は乱れこむ。

 以上、今回の五振の鑑定刀は、大変見ごたえがありました。

 尚、今年度も前年に引き続き支部目標として、初心者講座を実施し、支部交流会も積極的に行い、見識を高める事となり、午後三時半終了しました。

讃岐支部  東畑広義