岡山県支部との交流鑑賞会

当支部の活動として20年度から取り組んでいる他支部との交流会ですが、今回は岡山県支部へお邪魔しました。訪問した627日は前日までの大雨と打って変わって貴重な晴天となりました。鑑賞会の会場は岡山県の名勝後楽園内の岡山県立博物館でした。

岡山県支部長の挨拶のあと、鑑賞会が始まりました。30名以上の会員はお目当ての刀の前に整然と並び鑑賞されました。

    挨拶する岡山県 白神支部長                    鑑賞する会員


当日の鑑定刀は次のとおり。

一号刀 太刀 国宗(備前三郎)

二号刀 脇指 肥後守国康   

三号刀 短刀 来国光     

四号刀 太刀 康光         

五号刀 脇指 水心子正秀   

解説する讃岐支部 福本支部長

入札鑑定後は福本支部長が鑑定刀について解説いたしました。

一号刀はやや長寸にして反り高く、腰反りがつき、先へも反りの加わった凛然たる鎌倉期の太刀姿。

二号刀は匂出来の丁子乱、焼出は直に長く焼いて大阪焼出となる。

三号刀は平造短刀でわずかに内反りとなる。姿は来国光であるが、樋中倶利伽羅の浮彫から信国と看た人が多かったようです。この彫りは初代信国が裏に善意の追刻を施したものでした。

四号刀は腰反りの応永備前の姿、鍛えは板目やや肌立ち、小丁子交じり、帽子乱れこみ先尖る。刀姿が頃合で武士階級に最も多く好まれたと云う事が首是される。
 五号刀は、鍛えは小板目肌細かにつみ、地沸厚くつき、処々厚めの沸つく。刃は直に焼き出して、上は大互の目乱れ、濤乱風となり、匂深く沸よく月、僅かに砂流しかかり、明るく冴える。

今回の鑑定刀は二号刀五号刀の焼き出しの違いを鑑賞していただければと用意したもので、大阪焼き出しと、江戸焼き出しの違いを説明しました。

   茎を鑑賞



















讃岐支部 川股賢司