讃岐支部 川股賢司
当支部では平成22年秋の鑑賞会を兵庫県支部との交流鑑賞会として、9月26日高松テルサにおいて開催しました。
折から稲穂も黄金色に実り秋祭りシーズンの季節で、名刀鑑賞にぴったりの穏やかな日和となり20名余の会員が参集しました。
今回の講師は昨年に引き続き小泉兵庫県支部長をお迎えしました。
小泉講師
鑑賞会での鑑定刀は次のとおりです。
鑑定刀 一号刀 短刀 宗光
二号刀 短刀 信国(初代)
三号刀 脇指 宇多国久
四号刀 脇指 常光
五号刀 太刀 則包(福岡一文字)
入札は三本で行われ、成績上位者は次の各氏でした。
天位 織田芳道 地位 小林昭等 人位 大塚勝士 谷茂信
鑑定に挑戦する会員達
入札鑑定後には小泉支部長から鑑定刀の見所について解説していただきました。今回はどの鑑賞刀についても映りがあり、これがテーマとなるものでした。
一号刀は平造短刀、先で内反りとなり、小板目がよく詰み、帽子は丸く返りが長く焼き込こんだものでした。
この短刀で現れた映りは棒映りでした。
二号刀は平造短刀で寸が延び、表裏に食い違い刃が交じったもので、彫りの名人とされる信国の濃密な倶利伽羅の彫りが施されたものでした。
この短刀では来系統の見所の一つである沸映りが鮮やかに示されていました。
三号刀は重ねの薄い寸延び短刀様で白気る大和風の脇指。帽子は丸く返り、刃文は乱れが沸崩れ、飛び焼き交じるものでした。
この脇指に見られた映りは白気映りでした。
四号刀は帽子が乱れ込み、匂本位大丁子乱れを焼いた一文字写しでした。
この脇指の映りは一文字風の乱れ映りでした。
五号刀は景勝御手選35腰の一つの太刀でした。鎌倉中期の腰反り高い健全、長大な太刀で、刃文は重花丁子に小沸を交え、乱れ映りが鮮やかにたっていました。
長寸の太刀を好んだと云われる上杉家所蔵が首是される名品でした。
小道具を鑑賞する会員
最後に、鑑定刀を携えてご来高いただいた小泉支部長を感謝の拍手でお見送りし散会となりました。