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讃岐支部では、平成22年度最後の鑑賞会が3月6日高松テルサ視聴覚室に於いて開催されました。
去年から始まった、岡山県支部との支部交流鑑賞会、今回は講師に小池哲副支部長をお迎えして岡山・讃岐両支部合わせて約30名での鑑賞会となりました。

鑑定刀は次の通りです。

一号刀
太刀 銘 助房 (福岡一文字)






元先の幅差が少なく腰反りのついた鎌倉中期の豪壮な太刀。
板目やや肌立ち、乱れ映り立つ。刃文は丁子乱に小丁子、互の目を交え、足よく入り砂流しかかる。帽子は僅かに乱れ込み小丸に返る。助房は、古一文字から福岡一文字へ代わる最末期頃の刀工で匂主調ですが、次世代の吉房に比べると匂口暗く沸が咬む出来となる。

二号刀太刀 銘 備中国住次吉作 貞和三年三月日







優美な輪反りで踏張りがあり、中鋒。板目肌流れて杢まじり所々澄肌現れる。刃文は細直刃で匂口がよく締まって明るい。帽子は直ぐに先小丸に返る。
鎌倉後期の姿ですが、南北朝期の青江派の太刀には時々見る作風。
短刀 銘 備中国住次吉作 延文二年八月日
 


                             、



身幅広めで寸延び重ね薄く反り浅くつく。小板目肌よく詰み地沸微塵につき地景入る。刃文は細直刃、小足僅かに入り匂口締まって明るい。帽子は直ぐに先尖りごころに小丸に返る。
二号刀①の太刀の姿では時代が捉え難いとの事で出品して頂きました。
三号刀
脇差 銘  備州長船盛光 応永三十一年二月日
 






板目に杢まじって棒映り鮮明に立つ。刃文は、直刃匂勝ちに小沸つき匂口締まりごころに明るく冴える。帽子は直ぐに先小さく尖りごころに浅く返る。
四号刀
短刀 銘 正重(千子)







身幅広く寸延び、重ねやや薄く、反り浅く、先反りつく。刃文は、互の目乱れに角張る刃・尖り刃・矢筈風の刃が交わり、表裏刃文揃う。帽子は大丸風に深く返る。

五号刀
脇差 銘 越前康継(二代)









身幅広く重ね厚く反り深くつき、中鋒が延びた豪壮な造り込み。板目に杢まじり、地沸厚くつき総体にかね黒味がかる。刃文は互の目、尖りごころの刃まじり、小足よく入り沸よくつき盛んに砂流しかかって縞がかり金筋入り、匂口沈みごころになる。帽子は浅くのたれて丸く長く返る。

入札は三本で行われ、今回の入札鑑定成績上位者は次の各氏でした。

天位 東畑廣義 地位 大塚勝士 人位 谷 茂信
今回、六振りの中で四振りは備前・備中の名刀で小池講師の解説も、研究が進んでいるのか、深い内容でしたが、私達にも解りやすく解説をして頂き、とても勉強になり、さすが岡山県支部と感じました。

                                                            讃岐支部 小林昭等