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梅雨空を想わせる雨天の中、本部より大井 岳講師をお招きして平成23年度四国讃岐支部総会及び鑑賞会が5月22日高松テルサ瀬戸の間に於いて開催されました。総会に先立ち支部顧問、衆議員議員の平井卓也先生が日本刀の保存と支部の繁栄に協力したいと述べられ続いて福本支部長から挨拶があり、川股事務局長より平成22年度の事業報告、多田会計理事より決算報告、続いて平成23年度事業計画案が提案され、異議なく承認されました。
すでに支部ホームページでは掲載していますが、近年になって県外支部との交流が盛んに行われている事から、今年度から「四国讃岐支部」と新しい名称となった事も報告また、4月より新しく入会された新入会員も紹介されました。正午12時30分より昼食(懇親会)午後に入り、初心者講座を川辺相談役が解説し続いて鑑賞会となりました。本部の大井講師に五振りの名刀を御披露頂き鑑定会となりました。
23年度総会、事業報告、会計報告
鑑定刀は次の通りです。
一号刀
太刀 銘 保弘 (長光一門)
二尺六寸以上の長寸で腰反り
が高くつき、先にも反りがつく鎌倉後期の体配。
鮮明な乱れ映りが立ち、刃文は小互の目や小丁子が交じり、
物打ち辺りは焼低く長光後期の作品に似た名刀。

二号刀
太刀 銘 源 清麿
長寸で身幅広く大鋒ですが、平
刀剣の鑑賞、入札鑑定肉薄く、鎬幅が狭い新々刀の体
地鉄は板目肌に地景が変化に富んでいる。所々に馬の歯状の互の目が交じる刃文

三号刀
短刀 備州長船政光 貞治三年六月日
身幅広く、重ね薄く、反り浅くつく南北朝期の体配。
小板目肌つみ、地沸つき焼頭に沿って直ぐ映り鮮
明立つ刃文は角がかった互の目・片落ち風の互の
目交じる。政光は兼光風と小反り風を兼備したかのような出来口が多い


大井講師による鑑定刀の解説四号刀刀 大磨上げ無銘 元重(長船)
南北朝期の体配で、身幅広く、大鋒。大磨上げの為か、踏ん張りが少ない。地鉄は、板目肌流れて肌立つ。刃文は間延びした片落互の目、逆足などが交じる

五号刀
刀 銘 肥前国住遠江守藤原兼廣
身幅広めで、反りも程好くつき、重ねも
厚く、がっちりとした姿地鉄は、板目肌に
地景が目立つ刃文は、大きな湾れの中に互の目や尖り刃
が交じり、伊豫掾宗次の刃文に似た作品


入札は三本で行われ、今回の入札鑑定成績上位者は次の各氏でした。

          天位 織田芳道    地位 東畑廣義    人位 大塚勝士

今年度から入会された会員、久しく鑑賞会でお会いしていなかった会員の方々も、手に持って名刀を鑑賞する事の素晴らしさを感じていただけたのではないかと思う鑑賞会でした。
                                                           四国讃岐支部 小林昭等