平成24年度総会並びに観賞会

5月20日、新緑に包まれた屋島古戦場に程近い高松テルサ瀬戸の間に於て、支部会員20名が集い平成24年度四国讃岐支部総会並びに刀剣鑑賞会を開催致しました。午前10時30分から、支部の活動として定着してきた初心者講座・誌上鑑定の考察に続き、新年度総会が川股事務局長の進行で開催され、福本支部長の挨拶の後、平成23年度事業・決算の報告があり、平成24年度事業計画案・予算案などが承認されました。昼食の後、午後1時30分から本部より井本悠紀講師をお迎えして鑑賞会となりました。














       初心者講座                                           総会 平井卓也顧問挨拶(代理)
                鑑定刀の内容は次のとおりです。
 

一号刀 太刀 古備前 正恒





平安末期から鎌倉初期頃の姿、地鉄は大肌を交えるが総体的に小板目よくつみ、地斑映り鎬こえてかかる。刃文は小丁子を主体に角張る互の目、房の大きい丁子を交え刃沸付く。

二号刀 刀 肥前国忠吉



慶長新刀の姿。
小板目よくつみ地沸厚くほぼ肥前の米糠肌ではあるが肌立ちぎみになる。
刃文は浅くのたれのなかに互の目が交じり匂口締まりごころとなる。忠吉前期作の青江志津写し

三号刀 脇差 備州長船家助 応永廿三年二月日


室町初期の脇差の姿
板目に杢目を交えて肌立ち、地沸付き地景入り乱れ映り立つ。
刃文は丁子・小互の目・腰の開きが間延びした互の目が入る。全体にこずんだ感じ。

四号刀 脇差 大磨り上げ無銘 長船 光忠



踏ん張りのない大磨り上げの姿
小板目よくつんで地沸も良く付いたきれいな地鉄に鮮明な乱れ映り立つ。
刃文は丁子主調で袋・重花・蛙子丁子交じる。

五号刀 刀 水心子正秀


身幅は少し細身だが鎬幅が狭く平肉の少ない新々刀の始まりの頃の姿
小板目よくつみ無地風で地沸厚くつく。刃文は濤瀾刃風大互の目で荒沸付く。

三本入札の成績上位者は以下の通りです。

      天位 大塚勝士 東畑廣義          地位 小林昭等 橋本幸律              人位 川股賢司

初めて四国讃岐支部に来ていただいた井本先生には、鑑定刀の講評も要点を押さえて解りやすく、質問にも丁寧に答えていただきありがとうございました。次回、来県されるのを心よりお待ちしております。

さて今回の鑑賞会には、もう一つ目玉の美術品が飾られていました。
去る4月10日某鑑定番組で有名鑑定士に激賞された、源内焼の大皿と同じ源内焼の中皿・小皿が持ち主様の御好意で展示されていました。
「いい仕事してますねぇ。」の言葉が相応しい立派な源内焼で間近で見ると迫力があり、とても貴重な経験をさせて頂きました。






                                     四国讃岐支部 小林昭等