八月定例支部交流、鑑賞会

残暑が厳しい8月19日、高松テルサ於て、両支部会員約30名が参加して、交流鑑賞会を開催致しました。
午前11時から、恒例の初心者講座で今回は、刃文・帽子・茎などをテーマにして行われました。
刀剣美術誌上鑑定の考察も比較的早く意見がまとまり予定通りに昼食となりました。
午後からは、小池副支部長をはじめ岡山県支部の方々をお迎えして鑑賞会となりました。

鑑定刀の内容は次のとおりです。
一号刀 太刀 古備前 吉包








磨上げているので踏ん張りが少し抜けているが、優美で古調な姿、地鉄は板目肌で肌が立っている。刃文は小乱れに丁子・互の目を交え、小沸よく付く。

二号刀 短刀 伝粟田口国安


平造・三ッ棟・身幅尋常・定寸で内反りなっている。鎌倉期の姿地鉄は、よく詰んで地景頻りに入る。刃文は、直刃の中にほつれや二重刃・喰違刃交じり、沸よくつく。国安の短刀は珍しい。

三号刀 刀 大磨り上げ無銘青江










大磨り上げで反り浅く中鋒。地鉄は、小板目に杢目を交えて肌立つ。刃文は直刃に互の目・逆がかった丁子交じり、小足逆がかり、葉入り、匂口締まりごころに小沸つく。小丸に返る帽子が鎌倉末期の青江の特徴との事。

四号刀 短刀 信国




平造り・三ツ棟で内反り。板目肌流れ、刃寄り柾がかり、肌立ちごころに地沸つく。刃文は、小湾れに所々二つ連なる互の目交じり、匂口締まりごころに小沸つき、砂流しかかる。
源左衛門尉の作で櫃の中に透かし彫りされた倶利伽羅は見事でした。

五号刀 寸延び短刀 若狭守氏房




平造り・身幅広く・先反る。地鉄は、板目肌がよくつみ地景入る。刃文は、互の目丁子の中に尖り刃・兼房丁子が交じり、匂口明るい、帽子は地蔵風。末関物によくある白け映りが無く、地刃が明るいのが氏房の特徴。

三本入札の成績上位者は以下の通りです。
天位 東畑廣義  地位 橋本幸律  人位 大塚勝士

今回、小池副支部長様より甲冑師・鎌倉・平安城など普段見ることの少ない鍔の名品を展示・説明をして頂き、来場していた支部会員から喜びの声があがっていました。
御来場頂いた岡山県支部の皆様、ありがとうございました。次回の交流鑑賞会が早くも楽しみです。

                                                           四国讃岐支部 小林昭等