兵庫県支部、交流鑑賞会

涼しく過ごしやすくなった9月9日当支部会員4名は神戸市の湊川神社で兵庫県支部が開催した交流鑑賞会を訪問しました。湊川神社は南北朝期に名をはせた楠木正成が主神の尊皇の気風あふれるお社で刀剣鑑賞会にピッタリの会場でした。
 鑑賞会に先立ち兵庫県支部、山口支部長による刀剣初心者講座が持たれ、今回は打刀拵を主体に解説された。拵えの実物を示しながらの説明は大変分かり易く、初心者からも質問が相次ぎ、和気藹藹の雰囲気のうちに進められているのを拝見し、心が和みました。刀剣初心者講座の後鑑賞、鑑定会となりました。


















鑑賞会での鑑定刀は次の通りです

一号刀
 小太刀 友村  第18回特別重要刀剣






 あまり見る機会の少ない古備前の刀工 踏張りごころつき、月腰反り高い小太刀

上半は刃に沿って三日月状の飛焼きが点続して二重刃風となっており、古香な味わいがある。

二号刀 太刀 国宗(備前三郎) 第52回重要刀剣

 鎌倉幕府の北条時頼に召されて鎌倉に移住し、助真や粟田口国綱等とともに相州鍛冶の先駆者となったとの古伝がある刀工 やや長寸で反り高く、腰反りがつき、先へも反りの加わった凛然たる太刀姿を呈する。やや細身の優しい姿に直刃調の穏やかな刃文を焼いている。













三号刀
 脇差 粟田口近江守忠綱

 初代粟田口近江守忠綱の子で、姫路から大阪に移住したといわれている。彫物が得意な刀工として知られている。

刃文は、焼幅が広くなる大阪焼き出しを見せ、濤瀾を基調としながらも、丁子風の刃を目立って連れて交える。帽子のところから長く入った金筋が特長

四号刀 刀 水心子正秀 第18回重要刀剣

 幕末期に、刀はすべて鎌倉の昔に復すべきとして、復古刀の説を唱えた刀工として有名津田一派の濤瀾刃を焼いた優刀でした。

五号刀 短刀 清人

 清人は源清麿の弟子で、師匠の刀債を完済しており、誠実さが世に知られている刀工。

短刀は互の目を主調に乱れ、足長く、金筋、砂流しがかかり、一見して清麿一門と感じさせるものでした。

 入札は3本入札で行われ、成績上位者は下記の各氏でした。

天位 真木堂智 地位 小泉直久、山口石根、田中知憲 人位 桑村浩幸、林育弘

 入札鑑定後に四国讃岐支部、福本支部長から鑑定の見所について説明しました。

なお、本交流会では、兵庫県支部の入札態度に感銘しました。鑑定刀を前にして入札を行うのは勇気がいるものですが、兵庫県支部では出席者(33名)のほとんどの方(25名)が入札しており、頭が下がりました。四国讃岐支部でもかくありたいものです。

 四国讃岐支部 事務局長 川股賢司