四国讃岐支部
小林昭等
5月19日(日)高松テルサ瀬戸の間に於て、平成25年度四国讃岐支部総会並びに刀剣鑑賞会を開催致しました。
午前10時00分より、初心者講座、講師の三谷副支部長から、拵えの成り立ち・呼び方・変遷などを説明して頂き、最後は下げ緒の「みょうが 結び」を参加者全員で実際に結んでみました。続いて、誌上鑑定の考察、ヒントの文章から消去法で国から流派に、資料を用意してくださった会員さんがいて、最終的には個銘に絞り込める事ができ、予定より早く総会を始める事が出来ました。
総会は、福本支部長が議長となり円滑に行われ、平成24年度事業・決算の報告の後、平成25年度事業計画案・予算案などが発表され、満場一致で承認されました。
昼食の後、本部より日野原 大講師をお迎えして鑑賞会となりました。
鑑定刀の内容は次のとおりです。
一号刀 太刀 粟田口 国安
平安末期から鎌倉初期頃の姿、地鉄は杢目肌に流れ肌交えて肌立ち地景目立つ。刃文は小丁子・小乱れを交え、雁股状の湯走り・二重刃が断続的にかかる。
二号刀 刀 盛景
南北朝延文・貞治の姿。
板目に杢目肌・流れ肌交じり地沸つき地斑交えて淡く乱れ映り立つ。刃文は互の目・角がかった刃・小丁子などが小模様に乱れて、沸むらづき、匂口沈む。
三号刀 刀 備州長船与三左衛門尉祐定
身幅尋常で中頃から鋒にかけて先反りのついた室町後期の打刀姿,板目が良く詰み鉄色明るく地沸付き乱れ映り立つ。刃文は腰の開いた互の目を基調に小互の目・尖り刃を交えた複式互の目を元から先まで焼いている。
四号刀 脇指 南紀重国
(茎棟に)鏨物天下一池田権助義照
身幅広く重ね厚い慶長新刀の脇差の姿,地鉄は、板目に流れ肌を交えて肌立ち気味に地沸厚くしき地景も交えた強い鍛えとなる。
刃文は大和伝と相州伝の折衷的な作。湾たれ調に互の目を交えて刃沸が付き、金筋・砂流しが目立つ所(相州伝)刃縁に、ほつれ・食違いも見える。(大和伝)濃密な倶利伽羅と下り龍の彫り物がある。
五号刀 刀 長曽根乕徹
尋常な身幅で元先の幅差のある寛文新刀の姿で常の作より反りが高め。地鉄は、小板目よくつみ肌目の立つ強い感じの鍛え。明るく冴える。刃文は、元に短い焼出しがあり互の目を連れた数珠刃を焼く。乕徹の焼出しは、前期は長めで後期になると短くなる。
三本入札の成績上位者は以下の通りです。
天位 東畑廣義 地位 大塚勝士、 小林昭等 人位 川股賢司
鑑賞会では、入札経験の少ない会員の方達が講師の先生やベテラン会員にヒントやアドバイスを貰い、時間いっぱいまで積極的に入札されていて、とても頼もしく感じました。
今回の参加者は20名でした。