あいにくの荒れ模様の天気となった9月1日、高松テルサに於いて、恒例の岡山県支部との交流鑑賞会を開催いたしました。
まずは、誌上鑑定の時間です。支部のみなさんで、意見や資料を交えながら考察し、映りなどのヒントが決め手となり、一人の刀工に絞りこむ事ができました。昼食を楽しく頂き、午後から岡山県支部と、交流鑑賞会を開催しました。岡山県支部小池副支部長の挨拶、続いて福本支部長からも挨拶があり鑑賞会が始まりました。
一号刀 太刀銘 備前国長船宗光 (長光門)
腰反り高く踏ん張りがある堂々たる太刀すがた。
板目肌に柾がかって乱れ映り立つ。
小丁子乱れに互の目混じって、足・葉はいる。
帽子は、三作風
二号刀 短刀 直次 (青江)
平造、三ツ棟、身幅尋常内反りつく。
小板目つみ地沸厚くつき直ぐ状の映り立つ。
直刃に小互の目、小足や逆足入り匂口しまって明るく
冴える。帽子は直ぐに小丸に返る。
三号刀 脇差 二字国俊
大磨り上げながら、身幅広く、直刃調に小丁子や小互
の目を交えた刃文、小板目に映りの立つ地鉄は、国俊
の特徴。
四号刀 刀 無銘 尻懸
大和物の特徴である鎬があまり高くない様に見える
。板目が流れて、特に鎬地がよく流れている。
刃文小互の目に沸がついて淡く沸映り立つ。
帽子は直ぐに焼き詰ごころ。
五号刀 刀 雲次
大磨り上げのせいか、反り浅板目に杢混じり肌立つ。
刃文は直ぐ刃に小互の目、小足・葉はいる。
青江物にも見える作品。
三本入札の結果は,天位 大塚勝士 地位 東畑廣義 川股賢司 人位 橋本幸律
いずれも名刀ばかりですが、それとは別に一振りの鑑賞刀にみなさん目を奪われていました。新々刀工の脇差しなのですが、形が異風で堂々として素晴らしい作品でした。
今日は荒れた天気にもかかわらず来県頂き、また楽しい鑑賞会にして頂き岡山県支部の方々には本当に感謝しております。
ありがとうございました。今回の鑑賞会の参加者は、25名でした。
四国讃岐支部
小林昭等