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平成26年度総会並びに鑑賞会




四国讃岐支部では、420(日)高松テルサに於いて総会及び鑑賞会を開催いたしました。
まず初心者講座ですが、今回は「たたら」をテーマにして、以前テレビで放送された日刀保たたらの番組を視聴しました。
玉鋼ができるまでのほぼ全工程を見る事が出来ましたが、炉から吹き上がる炎が幻想的で生き物の様です。たたらといえば、三日間夜を徹しての作業だけが重要と思っていましたが、炉を造り上げる作業もその他の作業も1つとして疎かにできない繊細で根気のいる仕事だと感じる事が出来ました。
現在企画中の特別企画展要項を川辺相談役より説明があり、展覧会名はニッカリ青江伝来400年記念 「サムライノの魂 日本刀の世界展」とし丸亀市立資料館一階展示室で、会期は平成26年7月12日(土)~平成26年8月31日(日)(公開日44日)公開され、展示品は京極家伝来名刀ニッカリ青江、館所蔵品、金刀比羅宮所蔵の奉納刀をはじめ(公団)日本美術刀剣保存協会、四国讃岐支部会員の所蔵品、刀剣、刀装具、甲冑の名品を一堂に展示されます。

平成26年度総会を福本支部長が議長となり開会され、第一号議案の前年度事業報告及び決算報告、続いて第二号議案の今年度事業計画案並びに収支予算案が提案され承認されました。続いて昨年欠員の役員改正があり理事の多田利明が副支部長昇格(会計兼任)、新しい理事として内原 敬(会社取締役)が就任、理事、事務局長の川股賢司は病気療養のため休任、後任は置かず支部長と副支部長が代理すると決議されました。
昼食後鑑賞会では、協会本部の黒滝講師が名刀を御持ちくださり鑑賞会が始まりました。
鑑賞刀は以下の通りです。

一号刀  太刀 景安
腰反り深く先にいって俯きごころで全体に細身の姿。板目に杢を交えて沸つき、地斑映り立つ。直刃に小乱れで小沸出来。古備前で良いが、刃文の下部に見られる角ばる刃文を景安と絞り込める。





二号刀  短刀  来 国光
鎌倉末期~南北朝初期頃の典型的な短刀の姿。小板目良く詰み地沸厚くつき沸映り立つ。
湾れ調に小互の目、沸厚くつき匂口明るく冴える。





三号刀  刀  津田越前守助広
小板目肌良く詰み地沸厚くつき、かね冴える。互の目や丁子を交えて濤瀾乱れとなり、匂口明るく冴える。二尺五寸と長寸で身幅も広く、寛文新刀の特徴である元先の幅差に気付かない方もいました。





四号刀  刀  近江守助直
身幅広めで元先の幅差が目立たず、反り深くつく元禄頃の姿。小板目良く詰んで地景入り、刃文は、大互の目や濤瀾乱れ風で匂深く砂流しがかかり匂口冴える


五号刀  刀  水心子 正秀
鎬幅狭く、小板目無地風に良く詰み地沸厚くつく。大互の目で濤瀾乱れ風。正秀の大坂新刀写し。




                          成績優秀者は天位 東畑 廣義  地位 内原 敬 人位 大塚 勝士 橋本 幸律

黒滝講師からは、各鑑定刀に、資料として押形を使って説明してくださり、良く似た作風でも刃文の微妙な違いや沸のつき方など他の刀工の押形と並べて詳細に比べる事ができ、それぞれの個性を感じ取る事が出来ました。
また最後には、「新作名刀展で日刀保の玉鋼を使って古作に紛れる程の地鉄と映りが出た刀が正宗賞を取りました。」と、たたら課長としての喜びをお話して頂きました。
今回の鑑賞会の参加者は、18名でした。
                                                                                                四国讃岐支部 小林昭等