四国讃岐支部 川股賢司
当支部では、秋深い風情の中、平成26年度3回目の鑑賞会を10月26日(日)高松テルサ3階視聴覚室で開催しました。
今回鑑賞会では入札鑑定を行わず、鎌倉時代から江戸後期に渡る七口を鑑賞することといたしました。
競い合う入札鑑定の面白みには一歩譲りますが、中心を開けた刀を帽子から茎尻まで鑑賞する会員を見ていますと、ゆったりとした時間が流れるこのような機会もあってよいのではと感じられました。
鑑賞刀は次のとおりです。
一号刀 短刀 則重
一見して鎌倉時代の相州伝上位刀工の手になる作を感じさせる上品な短刀です。
二号刀 脇指 真景
平造り寸延短刀様式の脇指
一号刀と時代は異なりますが、同じ国で生まれた共通点を地金、鍛えで感じてもらえればと二号刀といたしました。
この脇指には藍鮫印籠刻み鞘の拵えが附けられています。
三号刀 短刀 村正
姿尋常、皆焼風の刃の短刀裏には六字が切られています。臨兵・・の九字が縦横に切られているものを拝見することはありますが、六字は珍しく感じました。南無阿弥陀仏?等何か祈りの意でしょうか。
四号刀 短刀 五郎左衛門尉清光
両刃の戦国時代に生まれた特種な様式の短刀です。
五号刀 脇指 藤島
末備前に見える脇指です。鑑定の一つのみかたとして、備前と鑑て、イヤとなれば藤島と鑑ると聞くことがありますが、この言葉が思い出される脇指でした。
六号刀 太刀 元平
体配も銘も堂々とした大柄の太刀です。
七号刀 刀 水心子天秀
正秀の後期に作刀された刀です。中心には天秀と晩年の銘があり、特徴ある刻印がされています。