4月12日、新緑に包まれた屋島古戦場に程近い高松テルサで3F視聴覚、会議室に於いて総会及び鑑賞会を開催いたしました。今年度総会を多田副支部長が議長、進行で開会され、第1号議案、平成27年度事業報告及び決算報告、続いて第2号議案、平成28年度事業計画案が提案され承認されました。第3号議案、中国、四国ブロック鑑賞会参加ついて。7月2日山口県、岩国国際観光ホテルで開催され参加者することが決議された。総会終了後、初心者講座は、たたら吹き炎に託す技と命のDVDを放映、誌上鑑定講座は小林昭等理事がリーダで考察もヒントの文章からすぐに個銘に絞りこみました。
昼食後、鑑賞会に入る前に刀剣の取扱を川辺勝一、相談役が講師で新入会員に指導にあたりました。
誌上鑑定講座 刀剣の取扱指導、川辺講師 川辺講師より受講
鑑定刀は次の五振りでした。
鑑定刀一号 太刀 粟田口国安
一号刀は総体に細身で元先に幅差が開き、腰反り高く踏ん張りあり、鋒は小鋒に結ぶ優美な太刀姿から、時代は平安末期から鎌倉初期で、地鉄は大模様の板目・杢目・流れ肌などを交え、総体に肌立ち、地沸厚くつき、地景頻りに入り、淡く沸映り立つ、刃は小丁子乱れに小乱れ・小互の目を交え、焼頭に断続的に湯走り現れ、足・葉盛んに入り、部分的にうるみ、砂流し・金筋かかる、粟田口派の太刀。
鑑定刀二号 短刀 藤四郎吉光
二号刀はやや小振りで、身幅尋常、内反りの上品な短刀姿から、時代は鎌倉中後期と設定できる。地鉄は小板目よくつみ、処々杢目を交え、地沸微塵に厚くつき、地景細かに入り、沸映り立つ、刃は細直刃を基調に小互の目を交え、匂い口明るく、小沸よくつき、金筋かかる、粟田口の短刀。
鑑定刀三号 刀 藤原広実
三号刀は目立って身幅は広くないが、元先の幅差が少なく、中鋒が延び、反り浅く、腰元での踏ん張りがある慶長期に見られる体配で、地鉄は板目に杢交じり、総体に肌立ち、ザングリとした肌合いとなり地沸厚くつき、地景がよく入る。刃は互の目乱れに、小のたれ・小互の目・角がかった刃・尖り刃などが交り、上半出入りがあって華やかに乱れ、足入り、匂深く、沸がよくつき、刃中細かに砂流しかかり、匂い口沈みごろとなる、堀川物の刀。
鑑定刀四号 短刀 新藤五国光
四号刀は身幅寸法共に尋常ですが、鎌倉後期の作としては珍しく僅かに反りが認められる姿の短刀で、地鉄は板目に杢交じり、刃寄り少しく綾杉風の肌合交え、地沸厚くつき、地景よく入り、細く棒映り風立つ、刃は細直刃、匂口やや締まりごころ、小沸よくつき、腰元に少しく金筋入り、匂い口明るい、相州伝の短刀。
鑑定刀五号 刀 出羽大掾藤原国路
五号刀は身幅やや広めで元先の幅差が、さほど目立たず、中鋒が詰まらずして幾分延びごろを呈した姿恰好から時代は慶長期で、地鉄は板目に杢まじり、処々肌立ち、地沸厚くつき、地景入る。刃は互の目に小互の目・小のたれ・尖り刃・角がかった刃交じり、足入り、沸ややむらに厚くつき、部分的に砂流しかかる、三品気質が察知出来る国路の刀