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28秋季刀剣鑑賞会

1016日() 四国讃岐支部主催の美術刀剣鑑賞会を本部協会より学芸員、井本悠紀先生をお迎えして高松テルサ、3F視聴覚、会議室で刀剣鑑賞、鑑定会開催致しました鑑定刀は下記の通りです。

一号刀 太刀 雲次



 一号刀は鎬造、庵棟、身幅やや細元先の幅差幾分目立ち、磨上げながらも未だ輪反りが深く残り、鍛えは板目に杢・流れ肌交じり、やや肌立ち、地沸が細かにつき、鈍く地景入り、地斑映り立ち、かな色やや黒みかがる。刃文は直刃基調に互の目・小互の目・丁子風の刃などよく交じり、まま乱れが角がかり、処々陰の尖り刃交え、足・逆足・葉よく入り、物打辺は乱れやや働き寂しく、匂口締まりごろとなり、沸・小沸つき、僅かに金筋・砂流しかかり、匂口沈みごころのある、雲類の特色が良くでた太刀。
二号刀
 脇指 長曽根虎徹


 二号刀は身幅広く大鋒先で、元に踏張りがつく頑健な姿の新刀脇差。鍛えは地景がよく働いて地沸がよくつきテコ鉄風の大肌が見られる。刃文は直ぐに焼き出して、小のたれに互の目が交じり、太い足が入り、匂い深く小沸がよくつき、匂い口が明るく冴え、帽子は横手上で焼きこんで直ぐに小丸に返るという典型的な作風の長曽祢虎徹。

三号刀 刀 福岡一文字



 三号刀は鎬造、庵棟、身幅尋常、元先の幅差やや開き、大磨り上げの為に鎺元に踏張りが見られず、反り浅い。鍛えは小板目に板目・杢まじり、総じてよく詰み、地沸がつき、乱れ映り立つ。刃文は丁子乱れに小互の目・尖り刃など交じり、総じて焼き高く華やかに乱れ、足・葉よく入り、匂い出来となって僅かに小沸つき、処々金筋入る、一文字刀。

四号刀 脇指 長光(額銘)


 四号刀は鎬造、庵棟、身幅細め、腰元の踏張りが全く認められないことから、大きく磨り上がっていて、鍛えは小板目肌よくつみ、地沸微塵につき、乱れ映り鮮明に立つ。刃文は直刃基調に浅くのたれごろをおび、小互の目・小丁子など交じり、幾分小模様に乱れ、小足入り、匂口ややしまり、小沸僅かにつき、匂口冴える、備前刀。

五号刀 短刀 兼定

 

                                


 五号刀は平造、庵棟、小振りの割に重ね厚く、内反り、鍛えは小板目肌つみ、地沸つき、

総体に白け映り立つ。刃文は細直刃、匂勝ちに小沸つく。末関の京物写しで兼定( ノさだ)のよく出来た短刀。

好成績の方は、天位 東畑廣義、地位 大塚勝士、小林昭等 人位 村中考治