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岡山県支部との交流会、合同鑑賞会

平成28年11月27日()岡山県支部と交流、鑑賞会を備前長船刀剣博物館、研修館に於いて四国讃岐支部から9名参加して行われました。鑑定刀は下記の名刀5振りです。

一号刀 太刀 助守(特別重要刀剣)

鎬造、庵棟、やや細身、中鋒、腰反りつく。鍛えは板目つみ、地沸厚くつき、細かに地景入る。刃文は広直刃調処々湾れて丁子、小乱れ交じり、足盛んに入り、沸よくつき、砂流し頻りにかかり、匂口沈みごころとなる。帽子は乱れこんで、小丸ごころに返る。鎌倉初期の古備前派の太刀です。
(入札鑑定では個銘当たりはありませんでしたが、古備前と古一文字の札が多数ありました)






二号刀
 脇差 藤原真景(重要刀剣)

平造、三つ棟、反りややつき、重ねは薄目。鍛えは小板目肌よくつみ、映り立つ。刃文は細直刃、小足入り匂い口しまる。帽子は小丸に返る。表は梵字、櫃内に素剣。裏は護摩箸の彫物あり。南北朝期の加州の脇差です。
(今回の一番の難物で三本入札でも当たりは一人もいませんでしたが「日本刀大鑑」所載の名刀です)





三号刀 短刀 国次(堀川)(重要刀剣)

平造、三つ棟、反り極めて浅く、重ねはやや厚い。鍛えは板目に杢交じり、肌よくつみ地沸つき、肌立ちいわゆるザングリとした肌となる。刃文は幅広く、浅く大きくのたれ、匂い深く小沸よくつく。帽子は乱れ込み、地蔵ごころに小丸、先尖って深く返る。慶長新刀の短刀です。
(入札では多くの方が堀川国廣と見ていました。国次は「国廣大鑑」にも記載がなく、昭和37年出版の「堀川国廣とその弟子」に平造の短刀で全くの堀川ものである、と記載されているのはおそらくこれでしょう)





四号刀 刀 井上和泉守国貞(真改)(重要刀剣)

鎬造、庵棟、反りやや高く、中鋒延びごころとなる。鍛えは小板目肌よくつみ、地沸細かにつく。刃文は小のたれに互の目交じり、足太く入り、砂流しかかり、匂い深く、小沸よくつく。帽子は浅くのたれ込み、先小丸。寛文新刀は反りが浅くなりますが、大坂新刀のため反りがややついています。(入札では姿・鍛え・帽子と焼きだしで大坂新刀と絞り、刃文が涛欄刃風だったので、多くの人が助廣と見誤っていました。)






五号刀 脇差 長曽根興里入道虎徹(重要刀剣)

鎬造、庵棟、身幅尋常、元先の幅差があり、反り浅目につき、中鋒。鍛えは小板目肌つみ、地沸厚くつき、地景細かによく入る。刃文は中直刃を基調に数珠刃となり、足よく入り、匂深く、沸厚くつき、細かに金筋・砂流しかかる。帽子は横手を互の目で焼きこんで、小丸に返る。寛文新刀の脇差です。(典型作なので多くの人が乕徹に入札していました)








鑑定刀の成績上位者、天位、真木堂智、 大塚勝也、地位、橋本幸律