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     新春刀剣鑑賞会 岡山県支部と交流会

 当支部では、平成28年度を締めくくる新春鑑賞会を2月18日高松テルサ、3階視聴覚会議室で開催しました。
今回は岡山県支部との交流会としての実施でした。
午前11時から三谷副支部長が準備したDVD(映画)を使って初心者講座を実施しました。映画は刀剣(国宝)天下五剣、大業物もの名物刀剣の紹介から、武将、剣豪たちとの運命、現在に伝わる鍛刀、研磨の極意、刀剣の見方と多岐にわたり、いずれも鮮明な映像で解説がなされ初心者にも分かり易いものでした。
続いて刀剣美術誌の誌上鑑定の検討となり、東畑理事が体配から時代を、地金から国を、刃文、働きから刀匠名を絞り込んでいき、考えられる刀匠名を推定いたしました。
午後1時から鑑賞、鑑定会となりました。講師に小池哲岡山支部長をお迎えして、鑑定刀、鑑賞鍔をお持ち頂くとともに鑑賞の見所を解説して頂きました。
鑑賞会での鑑定刀などは下記通りです

一号刀 太刀 長光











二号刀  刀 兼長















三号刀  刀 大宮盛景












四号刀 太刀 備州長船盛光



















五号刀  刀 城慶子正明




















観賞刀 短刀 備前国住長船祐定
観賞鍔  五点(尾張鍔、金山鍔二点、古萩鍔、赤坂鍔
入札は3本入札で行われ、成績上位者は下記の各氏でした。
天位 橋本幸律 地位 東畑廣義織田芳道川股賢司 人位 丹生寿男
入札鑑定後に小池岡山県支部長から解説がありました。
今回の鑑定刀は備前刀と備前伝を目指したものでした。一号刀は鎌倉時代を代表する備前の雄、長光の太刀で初期の作と見えるもの。二号刀は焼きが鎬にかかるほど高く、大模様に乱れており迫力のある刀です。三号刀は棟を卸して鎬の高い大鋒、重ねが薄い南北朝期の作でした。四号刀は鎌倉時代の太刀姿を写した応永備前の代表的な出来でした。五号刀は丁子の足が刃先に伸びる師の細川正義の備前伝を彷彿とさせる作でした。
また、鑑賞刀は末備前の祐定で、鑑定刀と併せて備前刀の揃い踏みとなりました。
おって、観賞鍔は何れも鉄鍔で華やかな色絵鍔とは違った風情で、渋い武士好みの品々でした。
鑑賞会後の懇談で、小池講師から岡山県支部の活動状況についてお話をいただきました。
その中で、他支部との交流会の実施、県内美術館、博物館を通じての普及活動の実施など。
新しいチャンネルで積極的に活動されている様子が分かりました。
普及方法の模索については、活動の会員の高齢化が進む中、新規会員の増強を目指す当支部のこれからの支部活動にも取り込んでいきたいものです。
小池支部長をはじめ岡山県支部の皆様ありがとうございました。
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