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                      平成29年度総会及び鑑賞会

4月16、新緑に包まれた屋島古戦場に程近い高松テルサで3F視聴覚、会議室に於いて総会及び鑑賞会を開催いたしました。今年度総会を三谷副支部長が議長、進行で開会され、第1号議案、平成28年度事業報告及び決算報告、続いて第2号議案、平成29年度事業計画案が提案され承認されました。第3号議案、中国、四国ブロック鑑賞会主催ついて。平成30年5月12日予定で金刀比羅俱宮、高橋由一館で行われる事を決議された。総会終了後、初心者講座は東畑廣義理事が講師として行い、誌上鑑定講座は小林昭等理事がリーダで考察もヒントの文章からすぐに個銘に絞りこみました。

鑑定刀は次の五振りでした。

一号刀 太刀 備州長船盛光








一号刀はやや長寸で先反りが幾分目立つ反りの深い、身幅に比して重ねが厚い造り込みの応永ころ太刀で、地鉄は板目に杢交じり、地沸つき、地景入り、乱れ映り立つ。刃は丁子に互の目交じり、乱れの腰開き、足・葉入り、匂い口やや締まりごころに小沸つく。
帽子、乱れ込み表小丸に長く返り、裏くびれてやや尖りごころに返る、備前刀。

二号刀 刀  堀川国広













二号刀は
身幅広く、元先の幅差があまり開かず、反りやや浅くつき、大切先姿の慶長新刀で、地鉄は板目に杢交じり、総体に肌立ち、ザングリとした肌合いとなり地沸つき、地景入る。刃は浅い湾れに互の目・小のたれを交え、匂口沈みごころに沸よくつき、金筋・砂流しかかる堀川国広。

三号刀
 脇差 長谷部国信






三号刀は平造、三ツ棟、時代は身幅が広く寸がのび、重ねが薄く反りの浅くついた典型的な延文・貞治型(南北朝期)で、地鉄は板目に大板目・杢交じり、刃寄り・棟寄り柾となり、総じて肌立ち、地沸厚くつき、地景よく入る。刃は浅いのたれを主張に処々小のたれ・互の目・角がかった刃を交え、匂い深く沸が強く厚くつき、金筋・沸筋・砂流し頻りにかかり、総体に湯走り・飛焼・棟焼きが入り、皆焼となる長谷部一派の脇差。

四号刀 刀  栗原信秀






 




四号刀は鎬造、身幅広めに元先の幅差まで目立たず、反りほどよく、鎬幅狭く、平肉が一段と乏しくフクラの枯れた鋭しい新々刀。地鉄は板目つみ、地沸よくつき、地景入る。    刃は互の目に互の目丁子・角ばる刃など交り、処々焼頭に小尖り刃・小互の目交え、しきりに長足入り、島刃、葉交え、沸厚くつき、少しく崩れ叢づき、中程太く長く金筋入り、砂流しかかり、匂口明るい清麿一門刀

五号刀 刀  村正












五号刀は腰元に踏ん張りがあって生ぶの姿、元先の幅差がさほど目立たず、平肉乏しく、先反りがついて、中鋒が延びごころとなった刀姿は、時代を室町末期と捉えられる。地鉄は板目、肌立ちごころとなり、地沸つき、かねやや黒みがかる。刃は元を直ぐに焼き出し風とし、その上は下半に互の目や尖りごころの刃を連れた乱れを焼き、箱刃風に角がかるのたれ交じり、上半は直刃に小のたれ・小互の目を交え、表裏の刃取りほぼ揃い、小沸つき、砂流し細かにかかり、棟を焼き、匂い口沈む千子刀。