岡山県支部交流会、刀剣鑑賞会開催

梅雨ど真ん中なのに、最高気温が35度と猛暑日になった、日()、当支部では岡山県支部より小池 哲支部長をお迎えし、高松市のほぼ中央に位置する上林町にある、()大西・アオイ記念財団会館にて交流鑑賞会を開催致しました。

午前11時から、初心者講座として、地鉄(鍛え肌の種類)・刃文の種類・反りの種類・刃の働き・地鉄(鍛え)の働き・5ヶ伝などの勉強を12時まで実施。         食事休憩後、午後12時45分より7月号「刀剣美術」の誌上鑑定刀を考察、13時より岡山県支部よりご持参の鑑定刀による三本入札に入りました。

鑑定刀は次の五振りでした。

一号刀 脇差 朱銘 行光

二号刀 刀  伝則重

三号刀 刀  肥前国住陸奥守忠吉

四号刀 刀  河内守国助(二代)

五号刀 刀  越後守包貞(二代)







鑑賞刀

脇差 国房(予州)  重要刀剣










一号刀は平造、身幅広く、重ね薄く、三つ棟、総体にわずかに反る。鍛えは小板目肌に小杢肌交じりで、肌立ち、よく詰み地沸つき、地景頻りに入る。刃文のたれ調の中直刃    に足よく入り、匂い深く、沸厚くよくつき、金筋入り、匂い口明るく冴えた、相州伝の作位がよく表れた脇差。

伝則重









二号刀は鎬造、庵棟、身幅広く、反りやや浅く、大鋒で、地鉄は板目に杢目交じり、処々流れ、地景入り、地沸つく。刃文浅いのたれ調に小互の目・小乱れなど交じり、物内辺焼幅広く、足・小足入り、総体的にほつれて、沸よくつき、処々金筋かかる、相州伝刀。


肥前国住陸奥守忠吉







三号刀は鎬造、庵棟、身幅やや狭く、重ね普通、反り浅く、元先の幅差が有り、中鋒の寛文新刀姿で、地鉄は小板目よくつみ、地沸つき、細かに地景入る。刃文直刃、小のたれかかり、小沸よくつき、匂い口明るい。肥前刀としては珍しく、反りの浅い、三代陸奥刀。 

河内守国助(二代)







 四号刀は鎬造、庵棟、身幅尋常、重ね普通、反り浅く、元先の幅差が有り、中鋒つまる姿は寛文新刀。地鉄は小板目肌、細かによくつみ、地沸つく。刃文は直に焼きだし、丁子乱れ主張に小互の目を交え、処々に拳形の丁子が入り、足よく入り、匂いやや深く小沸よくつき、匂口明るい大阪新刀。

越前守包貞(二代)







 五号刀は鎬造、庵棟、身幅やや狭く、重ね普通、反り浅く、元先の幅差が有り、中鋒の寛文新刀姿で、地鉄は小板目肌よくつみ、地沸つく。刃文は直に短く焼きだし、濤瀾風の大互の目乱れに、片山形や矢筈風の刃を交え、匂深く、小沸よくつき、足入り、砂流し刃中全体に盛んにかかり、匂口明るく冴える照包刀。

 成績上位者は次の各氏です。

天位 東畑廣義  

地位 大塚勝士  

人位 織田芳道

入札鑑定後、小池 哲支部長より鑑定刀の見所、特徴などを一振りずつ分かりやすく解説していただきました。親切丁寧なご説明のお礼申し上げると共に今後とも宜しくお願い申し上げます。又、岡山県支部の方々には猛暑の中、来県いただき有難うございました。

 今回の参加人員は26名でした。

四国讃岐支部  東畑廣義