平成29年11月5日()岡山県支部と交流、鑑賞会を備前長船刀剣博物館、研修館に於いて四国讃岐支部から会員が5名参加して行われました。讃岐支部からの鑑定刀は五振りです。







一号刀 井上真改 (菊紋)延宝六年八月日 (重要刀剣)












鎬造、庵棟、身幅尋常、元先の幅差つき、踏張りがあり、反りやや深くつき、中鋒やや延びる。鍛えは小板目肌よくつみ、地沸厚くつき、地景よく入る。刃文は直に焼き出して、互の目に小のたれ交じり、上半焼幅広く、湯走り交じり、沸厚くつき、金筋入り、砂流しかかる。帽子は小丸に返る。

(入札は多くの人が当てており、中には延宝頃と書いている人もいました)

 

二号刀 井上和泉守国貞 (菊紋)寛文十年八月















鎬造、庵棟、身幅やや広く、反り浅く、中鋒やや延びる。鍛えは小板目肌つみ、地沸厚くつき、地景入る。 刃文は中直刃調に浅くのたれ、匂い深く、沸厚くつき、金筋かかる。帽子は小丸に返る。
           

(入札は一号刀を真改と見た人は多かったが、二本目も真改とは思わず、薩摩刀・南紀重国・慶長新刀等の札が多数ありました)


三号刀   和泉守藤原国貞  (重要刀剣)

平造、三ツ棟、身幅広く、重ね厚く、反り浅くつく。鍛えは板目杢交じり、地沸よくつき、地景目立

って入る。刃文は直に焼き出し、その上は互の目に丁子風の刃、足入り、匂い深く、沸よくつき、物

打に飛焼を交える。帽子は直ぐに大丸風に深く返る。彫物は表に素剣と爪、裏は腰樋に添樋

(入札は当りの他は河内守国助・越後守国儔があり時代を外した札はありませんでした)

 

 
四号刀 兼元












鎬造、庵棟、身幅尋常、元先の幅差ややつき、踏張りがあり、先反りつき、中鋒。鍛えは小板目肌よ

くつむ。刃文は匂い出来の尖り互の目で、いわゆる三本杉となる。帽子は地蔵帽子となる。

(入札はほとんどの方が当たりです、帽子を重視してか二代の札が複数あったが、楷書の三本杉は後代の特徴です)



五号刀 手掻包永 無銘 (重要刀剣)











鎬造、庵棟、反りやや浅く、中鋒。鍛えは小板目に杢交じり、地沸つき、僅かに刃寄りに柾気がある。刃文は直刃調に浅いのたれ、互目のたれ、小互の目交じり、小足入り、湯ばしりかかり、総体に沸がよくつき、砂流し、金筋かかる。帽子は焼詰めとなる。



高得点の方 天位 真木 堂智,森 英樹 地位 橋本幸律  人位 小池 哲


今回の参加者は岡山県支部 25名 四国讃岐支部 5名でした。