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初心者講座及び勉強会

 最高気温が22度でよく晴れて、この時期としては、最高の日よリとなった、5月20日)、当支部では平成30年度2回目となる初心者講座及び勉強会を、高松市の中央に位置する、(公)大西・アオイ」記念財団会館にて開催致しました。
 案内は午後1時30分からの所、皆さん定刻より早く来られ進んで設営の手助けをして頂き、今年入会された3名の方はこちらで準備している資料の前回の続きを、丹生理事より、棟の種類、鎬の特徴、茎と鑢目、茎と銘、刀身彫刻、地鉄(鍛え)のべんきょう、その他の参加者は刀剣図譜及び刃文の種類図から刀工の勉強を、二カ所に分かれて一時間あまり、実施しました。
次に、昨年の10月に実施した事のある鑑定刀一本に刀工3名を提示し、選択して入札する方法で、支部長及び理事の準備された鑑定刀の一本入札を行いました。入会されて3年未満の方ばかりですが、入札に際しては皆さん一生懸命で勉強してきた書類等、何度も見直しながら行い、一名の方は三択はあるものの、5本中、4本当てられたのには驚かされました。
鑑定刀は次の五振です。
一号刀 太刀 吉岡一文字
二号刀 脇指 陸奥守忠吉
三号刀 備洲長船景光
四号刀 脇指 備前国横山上野大掾祐定
五号刀 短刀 阿州吉川祐芳
鑑賞刀
     刀  水田国重
     脇差 冬広
     脇差 備前国祐定(新刀)
     脇差 兼定(新刀)
 入札鑑定後、通常の鑑賞会では人数も多く鑑賞時間も少なく、鑑定刀の説明後もあまり理解できないまま終えているように思い、今回は鑑定刀及び鑑賞刀の横にフリーハンドで刀図に見所及び地鉄、刃の働きなどを書いた資料を置き確認して頂きました。
一号刀は鮮明に立つ乱れ映りと総体に逆がっかった互の目足。
二号刀はフクラに沿って平行に返る小丸の帽子と小糠肌に細かい地景が入った地鉄。
三号刀は小板目がよく詰んで、地景入る飢えた地鉄と匂い口の明るい焼刃。
四号刀は直ぐの焼きだし、蟹の爪形や、頭の丸く、その焼き頭にさらに、互の目や小足を交えた、互の目丁子風の刃が二つ、一体となって複式互の目状を形成した刃文。
五号刀は大板目、流れ肌まじりの地鉄と、元は長い直ぐ焼き出し、匂いの締まった丁子乱れ、足よく入り刃先まで抜けた刃文、掃きかけのある帽子

 鑑賞刀では、水田国重の沸、棟焼、金筋、鎬地の柾目、冬広の砂流し、飛焼、湯走り、新刀祐定の頻りに入った長い地景、直ぐ刃からでたねずみ足、一枚帽子、新刀兼定の詰んだ板目肌、匂い出来の刃文、ぼつぼつと見える葉、見られ込んだ帽子。
 皆さん熱心で、映り本当にあるのですかとか、葉ががわかりませんとか、ねずみ足が見えません何処か教えて下さい等、多数の質問があり、鑑賞時間を二時間用意していましたが、不足するじたいとなりました。
 参加人員は11名で終了後も皆さんと一緒に片付けをして、午後5時散会しました。
                                                                                                                                                                                                         四国讃岐支部 東畑廣義