岡山県支部との交流刀剣鑑賞会開催

令和元年7月14日

川   股   賢   司

 

今日は日本美術刀剣保存協会四国讃岐支部が開催した“岡山県支部との交流鑑賞会”で名刀を楽しませていただきました。雨で足下の悪い中、岡山県から鑑賞刀を、お持ちいただいた小池支部長をはじめ、応援を頂いた岡山県支部会員の皆様大変ありがとうございました。鑑賞会に用意された五口の日本刀は、鎌倉末期から新刀期までにわたるの各時代の刀剣で、腕を伸ばして刀を立てれば制作された時代の特徴が如実に表されたものばかりでした。

鑑賞会での鑑定刀は次のとおりです

 

一号刀 短刀 保昌貞興(ほうしょうさだおき)

二号刀  刀 青江・無銘(あおえ・むめい)

三号刀 脇指 勝光(かつみつ)

四号刀  刀 祐定(すけさだ)

五号刀  刀 水田国重(みずたくにしげ)


 
鑑定刀が白布に並べられていく所作を静かに見守る支部会員たち  これまで勉強してきた刀剣鑑定の知識を思い出しながら鑑賞する支部会員たち

 





















入札鑑定後に講師の小池岡山県支部長から解説がありました。

保昌貞興を手に解説する講師

 一号刀は鎌倉時代末期(1300年頃)の短刀で、保昌派の特徴である柾目鍛えが顕著でした。

 二号刀は鎌倉時代末期(1330年頃)から南北朝時代(1333年~1393年頃)、
    備中青江で制作された刀でした。刃寄りに筋状の段映りがある作品でした。

 三号刀は延徳年記(1489年頃)の勝光の脇差でした。

    反りが強く、重ねの厚く、鮮明な映りが出ている作品でした。

 四号刀は室町時代末期の天正(1573年頃)の刀でした

    ずっしりと重く感じ、沸(にえ)づいて乱れた波文、映りの立った作品でした。

 五号刀は江戸時代初期寛永年代(1630年頃)の刀でした。

    沸の大きな粒が顕著でした。

    世によく知られている大与五国重(おおよごくにしげ)との解説でした。

 入札は三本で行われ、成績上位者の三星は次の方々となりました。

   天位 東畑廣義 地位 大塚勝士 人位 丹生寿男、綾田美奈子

なお、当支部は929日に中国・四国ブロック大会を開催いたします。

多くの刀剣愛好家の参加をお待ちするとともに、支部長指示のもと会員一同、大会が成功裏に閉幕できますよう力を合わせて準備しております