[HOME PAGEへ

           第3回中国・四国ブロック大会(刀剣鑑賞会)開催   

 令和元年29日()、高松市の高松サンポートホール5階第2小ホールにて、第三回中国・四国ブロック大会(刀剣鑑賞会)を開催致しました。前日までは雨も危ぶまれましたが、当日は日差しも強く汗ばむほどの陽気に恵まれました。
 午前10時30分から受付を開始し、早くから多くの参加者にご来場頂きました。香川支部・香川西支部・徳島支部・高知支部・岡山支部・山口支部・広島支部・島根支部の会員の皆様、ほか本部等の皆様、当四国讃岐支部の皆様合わせて80名の方と、一般から4名の方にご参加頂きました。
 当日は午前11時30分から午後3時まで刀剣・刀装小道具を鑑賞し、午後2時から本部よりお招きした井本悠紀先生に鑑定刀の解説をして頂きました。


 各支部の方や丸亀資料館様のご協力のおかげで重要美術品・特別重要刀剣を含む刀剣38振り、刀装小道具として拵4点、鍔3点、縁頭3点、目貫3点、小柄3点、笄1点を一度に展示することが出来ました。刀剣は1振りあたり90秒の制限時間を設け、順番に鑑賞して頂きました。

 一般から参加の方には四国讃岐支部の丹生常任理事より刀剣取り扱いのマナー講座を受けて頂いてからの鑑賞でした。

刀剣鑑賞と平行して、鑑定一本入札も行いました。鑑定刀は次の五振りです。

【一号刀】 太刀   銘 雲次      重要美術品
輪反り状に姿を示し、地鉄は板目に杢を交えて、地斑状の映りが立つ。刃文は広直刃調に互の目交じり、逆足入り、葉交じり、部分的に陰の尖り刃をみせて、帽子は大丸風に短く返る。
【二号刀】 刀     主水正藤原正清
身幅広く、鋒が延び、手持ち重たく、平肉豊かにつく。板目肌つみ、沸映った刃に荒沸つき、焼頭に湯走りかかり、二重刃・三重刃状となり、帽子は強く掃きかけて火焔風となる。
【三号刀】 刀     与三左衛門尉祐定
寸が短く、先反りのついた姿に、本板目肌つみ、淡く映り立し、腰の開いた互の目を主体に複式互の目交じり、足・葉入る。
【四号刀】 短刀   朱銘 正宗     重要美術品
身幅広め、重ね薄め、殆ど無反り、板目に杢交じり、地景入り、小のたれに互の目交じり、沸よくついて、金筋、砂流しよくかかり、湯走りをみせる






【五号刀】
 刀 大慶直胤

腰反りついた姿に、小板目肌よくつみ、角映り立ち、角互の目、片落ち互の目交じり、足長くよく入る。

当日の入札成績上位者は次の通りです。(敬称略)

     天位  真木堂智
     地位  小池 哲
     人位  緒方嘉隆
 協会、井本悠紀先生にはとても丁寧にご説明頂き、心より御礼申し上げます目立つ大きなトラブルも無く、円滑に鑑賞会を催すことができましたのは、村中支部長をはじめとした念入りに計画を立ててくださった四国讃岐支部の皆様、貴重な刀剣・小道具などをお貸しくださり、また会場にてルールを守って鑑賞してくださった各支部の皆様のご尽力のおかげです。私事ではあますが、今回の鑑賞会受付業務におきまして少々手間取ってしまったことはお恥ずかしい限りです。寛大に対応してくださった他支部の方々にはお詫びと御礼を申し上げます。







数十振りの刀剣が一斉に並んでいる様は私には夢のような光景でした。あの空間にもっと居たかったというのが鑑賞会を終えてすぐに感じたことです。私自身の知識も、時間も、何もかも足りない尽くしの悔しさ、申し訳なさ、それでも多数の刀剣に直接触れられたことの嬉しさなど、様々な思いを噛み締めた一日でした。

                                 四国讃岐支部  富田 佳世