四国讃岐支部の第16回総会が大西・アオイ記念館で10月11日(日)に開催されました。
本来なら4月の予定でしたが、コロナの影響で半年遅れました。久しぶりの鑑定会・鑑賞会を会員達は楽しみにしており、鑑定刀は名刀揃いだったので参加者の約20名はとても満足しました。本部の武田耕太郎先生は初めての香川県出張でしたが、過去10年の鑑定刀を調べて重複が無いように配慮して頂きました。
一号刀 (来国俊)
細身のとても優美な太刀姿です。国を外す人はいても、時代を外す人はいませんでした。
二号刀 (堀川国広)
身巾広く、重ね薄く、切先が延びる姿です。慶長新刀ですが、金筋・砂流しがあり良く出来
ているので、南北朝に入れた人もチラホラいました。
三号刀 (長船師光)
映りが立っているので、国を外す人は殆どいませんでしたが、個銘は少し難しくて札が
散らばりました。
四号刀 (多々良長幸)
新刀の備前写しですが、乱れ映りが立っているので、古刀と見間違えた人が続出しました。
五号刀 (長船清光)
身巾広く、重ねが厚く、切先が延びる姿の末古刀です。直刃を得意としている作者が
派手な乱れ刃で、帽子も乱れ込んで長く返り、峰焼きに繋がるという珍しい出来です。
時代を外した札はありませんでしたが、かなり散らばりました。
なお、今回も参加者の半数以上が入札に参加しましたが、若手と女性の台頭が目に付きとても頼もしく感じました。
当日の三賞は天位 吉田良三、地位 丹生寿男、人位 富田佳世でした。
武田先生には茎を公開後に、伝来や作風の詳しい説明をして頂き、とても勉強になりました。ありがとうございました。
鑑賞刀として支部会員から文政10年(1827)年紀の「青木照之進元長」の短刀が出品されましたが、これは「切先諸刃造」という珍しい造り込みでした。
我々地方に住む刀剣愛好家が、素晴らしい名刀を手に取って鑑賞できるのは、本部のおかげです。これからもご指導を宜しくお願い致します。
四国讃岐支部 丹生寿男